戸山翻訳農場

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2016年

8月

07日

fairy フェアリー

若い女がひとり、感じのいい控えめな装いでショーウィンドウの前に立ち、髭剃り用マグカップとインクスタンドに、じっと見入っており、その二ヤード先にはいかめしい大柄な警察官が消火栓にもたれ掛っていた。『警官と讃美歌』

十九世紀末から二十世紀初め、マンハッタンのロワー・イーストサイドのバワリー地区に、男娼(male prostitute)が集まっていた。客も男性。この地区だけで、6つの男娼売春宿があった。彼らは「フェアリー(fairy)」と呼ばれた。女性の売春婦を真似て、女性らしい服装をしていた。

 

 『警官と讃美歌』では、「女性」が、男性の道具である髭剃りマグやインクスタンドに、うっとりと見入っている。これが男娼を示唆しているのだとすると、ソープィーは「女性」がしなだれかかってきた時に、「男だ」と気付いたのだろうか。だから、「連れを振り切って、逃げた」のかもしれない。

 

 

 映画版である『フル・ハウス(O. Henrys Full House)』(1952年)では、女性のセックス・シンボルとされたマリリン・モンローが「女性」役を演じた。

(有好宏文)

▽参考文献

 

”Gay New York:Gender, Urban Culture, and the Making of Gay Male World 1890-1940” George Chauncey

 

“Masculine identities: The History and Meanings of Manliness” Herbert Sussman

 

http://www.academia.edu/344230/Male_Prostitution_in_the_Twentieth_Century

https://books.google.co.jp/books?id=fcYq72qYRTcC&pg=PA279&lpg=PA279&dq=fairies+prostitution&source=bl&ots=h_6213GjSe&sig=Wb9lLuHj6AmNiU49wRVfMktG1Og&hl=ja&sa=X&ved=0ahUKEwjkp6K81qnNAhWhHKYKHRTKDE0Q6AEIHjAA#v=onepage&q=fairies%20prostitution&f=false