戸山翻訳農場

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2016年

8月

07日

cop  警官

 

ソープィーは、腕に誰かの手を感じた。振り返ると、顔の大きな警察官だった。『警官と讃美歌』

 

ブロードウェイまで歩いて行った。警官がひとり、角にいた。この辺りの警官は、子供のことは抱きかかえ、女性には付き添い、男には目を光らせている『この街の声』

19世紀末から、ニューヨークの人口は増え続け、治安、住環境は悪化した。とくに、ロワー・イーストサイド、バワリー地区周辺は移民が多く、環境が劣悪だった。

 

警察の腐敗も深刻だった。ニューヨーク市警察(New York City Police DepartmentNYPD)は「アメリカ中でもっとも腐敗している」と言われた。

 

改革は、1895年に同警察の警察委員トップに就任したセオドア・ルーズヴェルトが行なった。ルーズヴェルトは就任前に、ルポルタージュ『残り半数の人々はどのように生きているか』を書いたジャーナリストのジェイコブ・リース(『ティルディの短いデビュー』小解説参照)に会い、貧しい移民の暮らしを知った。

 

リースは、のちに、この改革を振り返っている。「はじめて、路上にモラルが現れた。すべてが変わった」と。

 

改革では、1600人の新人警官を採用。早朝や夜にも街を巡回することを義務付け、取り締まりを強化した。『警官と讃美歌』に警察官がたくさん登場するのは、そうした状況を反映しているのかもしれない。

 

ルーズヴェルトは、その後、大統領になった。

 

 

▽イラストは、ジェイコブ・リース(奥)とともに、街を巡回するセオドア・ルーズヴェルト(右)(1894年、ジェイコブ・リースの自伝より)。

 

(有好宏文)